物語考察
最終更新: 2026-05-21 (木) 16:57:44
登場人物
夜渡り
追跡者
夜の王を追い続ける青年
第六感に優れ、数々の死線をくぐり抜けてきた剣士
滅ぼされた一族の無念をそそぐため、夜に奔走する
Chapter1
遥か故郷より、霧深い海を渡り
追跡者はリムベルドに辿り着いた
夜渡りの戦士は、その存在と記憶を擦り減らしながら戦う
どれだけの夜を戦い続けているのか、もはや定かではない
だが、一つだけ確かなことがある
夜の王を追い、そして屠る
ただその一事のみが、追跡者の為すべきことだ
…そのはずだ
言い聞かせながら、追跡者は掌中のそれを握りしめた
片割れしかない首飾りを
Chapter2
円卓の片隅、薄暗い室内に天井から光が射し込んでいる
追跡者は手にした耳飾りを頭上にかざす
光に透かされ、刻まれた文様が浮かび上がるが
意味を持った形にはならない
追跡者は確かに知っている
そこには文字が… いや、ある一節が刻まれていることを
だが、どうしてもそれが思い出せない
どこで失ったか分からないが
もう片割れを見つけられれば、思い出せるだろうに…
Chapter3
故郷を夢に見た
風鳴り丘を、二頭の馬が駆けている
双子の馬がまともに育つことは稀だ
追跡者にとっても、 にとっても、二頭は特別だった
丘の頂で轡を並べ、隣に目をやる
しなやかな髪が風に踊り、左耳の耳飾りが揺れている
だが… その顔は、がらんどうで、どうしても埋まらない
「…追跡者サマ、いらっしゃいますか」
召使人形の声が、追跡者を呼び覚ました
きっと、またいつもの頼み事だろう
Chapter4
再び片割れとなった耳飾りを握り、追跡者は眠りに落ちた
風鳴り丘に、日が落ちかけている
その名を示すように、身を切る風が鳴り止まない
じき約束の冬が来る
初霜が降りる頃には、片割れは旅立ち、もういない
押し黙る追跡者に、 は、いつもの笑みをこぼした
そして耳飾りを指で弾く
「しばしの別れです、兄上
事を成せば、また会いましょう」
名前さえ未だ思い出せぬ。だが、妹は確かにそう言っていた
Chapter5
妹のことを秘めたまま、追跡者は戦い続けていた
すべては事を成した、その先にあるのだから
円卓に戻ると、召使人形からの置手紙が残されていた
なぜ、あの耳飾りに追跡者サマが固執されていたのか…
私なりに考えておりました
そして気づいたのです
お二人は… とても、よく似ておいでだと
私には、それが分かるのです
貴方サマに知っていただきたいことが、ございます
どうか書庫をお検めください
Chapter6
幾度となく、あの日の夢を見る
長い夜は、同胞たちを狂わせ
争いの後、風鳴り丘には、ただ無数の墓標だけが残った
徒弟のファルハドではなく、幼いシリンではなく
そして長たる父でもなく、生き残ったのは自分だった
だからこそ、必ず復讐を果たし、夜を終わらせねばならぬ
だが…
「事を成せば、お別れね」
夜の終わりのその先に
双子の馬が並んで駆けることは、もう無い
Chapter7
大剣を抱え、追跡者はまどろんでいる
不意に、衣擦れと
次いで硬質な… 何かが置かれる音がした
追跡者は目を覚まし、ゆっくりと身を起こした
Chapter8
掌中の銀の雫は、柔らかく脈打っている
追跡者の荷物の傍らには
見覚えのある、ひとつのブローチが置かれていた
離れていても共に戦えるよう、縁となるものを戦士に託す
その風鳴り丘の風習を、妹も覚えていたのだろうか…
習わしの通り外套にブローチを付け、そっと手を添える
「事を成せば、お別れだ」
双子の馬が並んで駆けることは、叶わない
だが、願わくは、その片割れだけでも
Chapter9
やがて、新たな夜の王が生まれた
円卓は消滅をまぬがれ、作り変えられるのだろう
新たな夜に備えるために
それは巫女を解放するに足るものだったか
確かめる術は、もはや男にない
王は歩み続ける
たとえ、双子の馬が再び出会うことがないとしても
関連アイテム:にび色の砥石
きめ細かく、品質の良い天然の砥石
リムベルドで採掘できる、希少な研磨材
夜との戦いは、あまりにも長く続いている
残された時間は、もう多くない
関連アイテム:銀の雫
生物と物質の中間にある生命の核
雫の幼生とも呼ばれる
それは、かつての狭間の地で
新たな姿を手に入れることができたという
関連アイテム:追跡者の耳飾り
追跡者が持つ片割れの耳飾り
拭いきれない汚れが残り、錆び付いている
遠い地の部族たちに伝わる装飾品は
光を通すと模様を浮かび上がらせる
巧妙なつくりに仕上げられている
これは、歩み続ける王が
ただひとつ抱えた、かつての名残である
関連アイテム:追跡者の耳飾り(貴重品)
追跡者が持つ片割れの耳飾り
拭いきれない汚れが残り、錆び付いている
遠い地の部族たちに伝わる装飾品は
光を通すと模様を浮かび上がらせる
巧妙なつくりに仕上げられている
これは、その片割れのようである
関連アイテム:修繕された耳飾り(貴重品)
破損した留め具が修繕されて
元の姿を取り戻した耳飾り
遠い地の部族たちに伝わる装飾品は
光を通すと模様を浮かび上がらせる
巧妙なつくりに仕上げられている
それは、追跡者の持ち物とよく似ている
関連アイテム:義賊の鍵(貴重品)
精級な装飾が施された小さな鍵
レディの後援者たる執事ギリアンによる逸品
かつてレディは、身を寄せていた子爵家で
義賊としての顔を持っていた
秘すべき仕事道具は宝物箱に入れ、鍵をかけ
薄暗い地下室へと隠した
その習慣は、円卓に導かれた今も変わりない
秘密は、人目の付かぬ暗い隅に隠されている
関連アイテム:破り取られた古い紙片(貴重品)
「新たな夜」について記された紙片
古い民の手記。その一都を破り取ったもの
巫女は円卓の礎として、欠かせぬ存在だ
だが、夜の王を屠れば円卓は崩れ
運命を共にすることになるだろう
しかし、円卓が作り変えられるとしたら
巫女を解き放てるやもしれぬ
王の力が失われ
「新たな夜」が始まれば、あるいは…
守護者
翼の国の鳥人騎士
国家存亡が危ぶまれた戦いで負傷した元小隊長
群れを守るため、戦士たちの矢面に立つ
Chapter1
守護者は翼の国で生まれ、そして鳥人騎士となった
故国を守る、そのために
守護者の欠けた記憶には、二つの「群れ」がある
守れず失った、故国の古い群れ
そして… 共に夜を渡る、新たな群れの記憶だ
Chapter2
これは、新しい群れの記憶
円卓に導かれ、ある一人の魔女と守護者は巡り合った
「これで良し。以前ほどには、飛べないでしょうけれど…」
そう呟き、隠者は翼をねぎらうように、そっと撫でる
守護者は己の翼を蝕む呪いが、抑えられているのを感じた
丁重に礼を言うと、隠者はただ静かに首を振った
「…気にしないで。こういったことのための、学びだもの」
守護者は、山と積まれた本に目をやった
知識があれば守れたものが、あったのかもしれない…
いつしか守護者は、彼女を「先生」と呼ぶようになった
Chapter3
これは、古い群れの記憶
編隊が空を渡り、まるで一つの生き物のように自在に動く
守護者は風を切りながら、眼下の城塞を見た
城壁の弩から放たれた槍が、迫ってくる
「肩羽」たる自分たちの役目だ
守護者たちが群れの前に出て、槍を盾で弾くやいなや
入れ替わりに「鉤爪」たちが、城塞に鋭く突っ込んでゆく
この城も、間もなく落ちるだろう
戦場において、群れは完全だった
あの呪いの刃が、その翼を蝕むまでは
Chapter4
これは、新しい群れの記憶
守護者には、円卓で一つ学んだことがあった
「がはは、いいからかぶってみろ。せっかく直したんだ」
この無頼漢と言う男は、やかましい
「こいつは騎士様におあつらえ向きだと、ピンと来たんだ」
そしてお節介で、聞く耳を持たない
兜を押し付けられ、思わず守護者は強く振り払った
この男に悪気などあるわけが無い
だが、兜は捨てたのだ。守るべき群れを失った、その時に
Chapter5
これは、古い群れの記憶
取返しのつかぬ敗戦で、守護者は一人生き長らえた
戦場において、群れは完全だった
どのような敵も打ち倒してきた
鳥人の騎士は死を恐れない
それは、全体のための誇りある役目であり
代わりの羽が群れを必ず補うのだから
だが呪いの刃は… 飛べなくなるという恐怖は
群れの完全さを容易く奪っていった
呪いの前に、守護者の盾は役には立たなかった
Chapter6
これは、新しい群れの記憶
書庫に居ると、不意に香ばしい小麦の匂いが鼻をくすぐった
あの無口な戦士の、気まぐれな調理が始まったのだろう
匂いに誘われ庭に出ると、海賊の豪放な笑い声が聞こえた
射手が狙いを付けた弓が、大男に向いている
もう止めはしない。彼らなりの暇つぶしだと知っているから
物言わぬ剣士は、意に介さず、ただイーゼルに向かっている
礼拝堂に足を運べば、内気な修道女は一人手を合わせ
識者は、茶器をあおりながら熱心に紙をめくっている*1
完全には程遠く、実に不揃いだ
この集まりを、果たしてそう呼んでも良いものか
そうした頃に、見慣れぬ商売人はやってきた
Chapter7
これは、新しい群れの記憶
商人を排除したあと、守護者の背後から声がした
「群れを守るため、かしら」
そこには、隠者の姿があった
「はい、先生。今はこの円卓が… 私の群れなのです」
守護者の言葉に、隠者はただ静かに頷く
「…翼人の掟は知っているわ。危険因子は排除しなければね」
商人が持っていた帳簿は、呪いの刃への手がかりとなるはず
召使人形と手分けして、探らなければならない
Chapter8
これは、新しい群れの記憶
手にした三冊目にはイクタルスの呪いの秘密が記されていた
呪詛は遠い地、深奥の魔術とされるもの
血で綴られた言葉である
守護者は、記された類の魔術について、読んだ覚えがあった
「知ることこそが、守ることに繋がる」
そう信じ、蓄えた知識の… 先生との学びの賜物だ
守護者は、確かに知っている
風鳴り丘を駆ける馬群を、近海の海賊の冒険譚を
恐るべき「施設」を、放浪の絵描きの伝承を
それから… 深き森の魔女の、呪われた魔術を
Chapter9
これは、新しい群れの記憶
群れを守るため、守護者は決断を迫られていた
目を閉じ思案していた守護者の元に、誰かが近づいてくる
「干渉することを、私は好まない」
そこには、人形の姿をした娘がいた
この群れに加わった新しい羽だ
「だが、あの魔女には借りがあってな
知ってからでも、遅くはないだろう」
それだけ告げ、人形は一枚の紙片を置き、去っていった
Chapter10
これは、新しい群れの記憶
守護者は、ついに隠者に手をかけなかった
彼女は確かに、古い群れから翼を奪う呪い生んだ
だが、新しい群れに欠かせぬ、一つの羽でもあるのだ
そのどちらも、守護者は知っている
守るべきものは定まった
ならば、騎士の証をかぶるとしよう
お節介な大男が直した、おあつらえ向きの兜
それを手に、守護者は新たな一歩を踏み出した
関連アイテム:石の杭
封じられた錠を開く石製の杭
古遺跡の文明で作られた
ガーディアン・ゴーレムから取り出した部品
失われつつも、古い魔力を宿しており
同じように封じられた錠を開くことができる
関連アイテム:二冊目の本(貴重品)
呪いの武器について言及された史録
遠い西の小さな紛争について語られている
呪いの武器イクタルの記述が見ちれる
その刃に傷つけば、生涯癒えぬ傷を残す
それは古い呪詛による、生命を歪めるカ
勝利のみ追い求めた兵が呪い師に作らせた
忌まわしき武器
関連アイテム:奇妙なお守り(貴重品)
どこかあやしげな作りのお守り
亡霊の商人が渡した贈り物
不慣れな者が、見様見真似で繕ったであろう
糸の残りやほつれが随所に残っている
まあ、見た目で判断するものではないのだろう
関連アイテム:売人の帳簿(貴重品)
売人が用いていた怪しげな帳簿
維密な取引記録が所狭しと書かれている
近しい時期に、強調された項目が目を引く
古い史録 悪魔に譲渡
関連アイテム:三冊目の本
呪いの武器について言及された史録
遠い西の小さな紛争について語られている
呪いの武器イクタルスの記述が見られる
刃には、同じ模様が刻まれる
それは遠い地、異邦の魔術とされるもの
血で綴られた言葉である
関連アイテム:魔女のブローチ
強い魔力が込められているブローチ
隠者から手渡された血の魔術の結晶
かつて翼人たちに不翔の呪縛をもたらした
呪いの武器イクタルスの魔力源でもある
並々ならぬ魔力を漂わせるそれは
本来、防風を鎮める祭具であった
だが戦いを止めるため、魔具へと転用された
戦争が生み出した功罪である
関連アイテム:砕けた魔女のブローチ
ひび割れて魔力を失ったブローチ
隠者から手渡された血の魔術の結晶
かつて翼人たちに不翔の呪縛をもたらした
呪いの武器イクタルスの魔力源でもある
守護者は、魔具の核となる宝石を砕いた
本来、暴風を鎮める祭員であったそれは
今や見る影もない
円卓待機時のセリフ
「私に任せるがいい」
「うむ、いつでも出られるぞ」
「困ったことはないか?手を貸そう」
「また頼ってくれ」
「休めるうちに休んでおけ」
「ああ、気を付けてな」
「斧槍術なら覚えがある。熟達しているとまでは言えぬが、役には立とう」
「夜に相対するとは、まこと信じ難い話だが……使命とあらば、励まぬとな」
「相手が大きく恐ろしくても、盾を構えてみるのだ。勝機への道筋が見えてくるはずだ」
「先生から学べることは実に多い。群れを束ねるため、精進せねば」
「大将戦か。これを制した者が本当の勝者だ。もちろん、私たちがそうなるべきだろう」
「私は、この戦いを必ず後世に伝えよう。……それが、私のすべきことだと思うのだ」
「気の抜けない戦いが続くな。引き締めてかからねば」
「此度の戦、おおよそ動向が掴めてきた。風向きが変わる前に、このまま突き進むとしよう」
鉄の目
暗殺組織「施設」の刺客
判断を躊躇わず、一瞬の隙を見逃さない視線から
「鉄の目」と呼ばれ、恐れられている
Chapter1
「施設」から、鉄の目へ宛てた指示書
親愛なる施設の子、鉄の目へ
「蝙蝠耳」から、知らせを受けました
ご苦労さま。報酬は送っておきます
近く大きな「仕事」が入りそうです
おそらく、狭間の地へ向かってもらうことになるでしょう
仔細は追って連絡します
追伸 先日の件は忘れてください。世迷言でした
あなたの後見人、イゾルデ
Chapter2
「施設」から、鉄の目へ宛てた指示書
親愛なる施設の子、鉄の目へ
昏き谷の寄宿舎が壊滅した件は、把握していますね
裏切者を探し出し、除籍なさい
狭間の地に向かい、足跡を辿るのです
常の通り、その過程の一切に施設は関知しません
路銀も、情報も、あるいは協力者も
あなたの「仕事」で稼ぐのです
あなたの後見人、イゾルデ
Chapter3
鉄の目から、「施設」へ宛てた報告書
後見人、イゾルデへ
定期報告
届くあては無いが、書き残す
裏切者の痕跡を辿り、円卓に着いた
巫女と呼ばれる協力者も得た
手掛かりは少ないが、いつも通りと言える
「仕事」は順調だ
鉄の目
Chapter4
「施設」から、鉄の目へ宛てた指示書
親愛なる施設の子、鉄の目へ
「怪物」のことは知っていますね
その後見人が、殺されて久しいことが判明しました
昏き地の寄宿舎が壊滅した時期とも、符号しています
裏切り者は怪物である公算が高いでしょう
用心なさい
あの子もまた、施設に育まれた百足の申し子なのですから
あなたの後見人、イゾルデ
Chapter5
鉄の目から、「施設」へ宛てた報告書
後見人、イゾルデへ
裏切り者の… 怪物の手掛かりを得た
「施設」の者同士だ
長い戦いになるだろうが、問題ない
除籍を果たしたら、報告する
追伸
私の荷から封がされた手紙を見つけました
規則に従い、進展がなければ開封します、マスター
鉄の目
Chapter6
鉄の目へ宛てた、血にまみれた手紙
施設の申し子たちは、役割を終えれば除籍される定め
それゆえ、私は夢想しました
夜の力で理を覆すことを
育んだ申し子が、果てなき夜を渡り、戦い続ける様を
夜が明けぬ限りは、それが叶う
…ですが、それは愚かな過ちでした
あなたにその残酷な可能性を伝えるべきではなかった
どうか迷いを捨て、信じる道を進んでください
あなたの後見人、イゾルデ
Chapter7
鉄の目から、「施設」へ宛てた報告書
後見人、イゾルデへ
定期報告。届くあては無いが、書き残す
裏切り者を除籍した
あとは夜の王を倒すのみだ
追伸
安心してください、マスター
私に迷いなどありません
鉄の目
Chapter8
鉄の目から「施設」へ宛てた最後の報告書
後見人、イゾルデへ
あなたは、この上ない後見人でした
俺が渇望したものを
「施設」のくびきから解き放たれる可能性を
示してくれたのですから
感謝します、マスター
これで、私の夜はまだ、終わりません
関連アイテム:割れた封蝋
開かれた手紙から剥がれ落ちた封蝋
施設に属する傭兵が用いる道具
印章は、狙いをつけたのなら
必ず仕留めることを誓って疑わない
殺しの契約を表している
その発祥は、狭間の地に由来するという
関連アイテム:聖律の刃
夜光の騎士、フルゴールの槍の刃片
リムベルドの戦いにより、聖性を獲得している
僅かではあるが、一時的に別の武器へ
その力を移すことができるだろう
死に生きる者たちが、聖律により倒されたなら
それらが復活することはない
関連アイテム:裏切者の手紙
裏切者からの誘いの言葉が記された手紙
殺しの契約を象徴する印章で封されている
手紙の中に折り畳まれた一枚の紙が入っており
簡素な一文が書かれている
夜の王に近づく時、円卓で会おう
怪物は自身が狙われていることを察しており
刺客となる鉄の目を歓迎しているようだった
- 考察
- 鉄の目の特殊エンディングについてある程度理解することが出来る。
通常エンディングにて原初の夜の王のルーンを円卓の遺体に渡すと夜が明けるムービーが見れることから、
遺体の首を掻き切ることは夜が明けるのを拒否していることになると考えられる。
つまり、Chapter6の前半で、イゾルデが述べたアイデアを実行することで、役目を終えた後に”除籍”されるという「施設」のくびきから鉄の目は解き放たれた。
ちなみに、イゾルデのアイデアが書かれた、血にまみれた手紙は鉄の目の荷に仕込まれていたもののようである。この手紙は施設にとって好ましくないものであった可能性が高い。
レディ
子爵の継子の義賊
誰にも捕まえられない、素早くも鮮やかな所業は
敬意から「レディ」と呼ばれるまでに至る
Chapter1
召使人形からの手紙
レディが円卓に導かれ、間もない頃のもの
こうしておいでになる日を、待ち侘びておりました
巫女サマが円卓を導き、夜の王を屠る
それをお支えするために、私は配されたのです
お庭には花々が咲き誇っておりますし
書庫に古今の名著、東西の稀書のご用意があります
お食事についても、何なりとお申し付けを
ああ、それから。どうか、お召替えください
今はもう義賊ではなく、円卓の巫女サマなのですから
Chapter2
召使人形からの手紙
追跡者が円卓に導かれた時のもの
新しい英雄サマのご容態
落ち着かれたようで何よりです
この円卓に導かれる前
外の世界で負われた傷だったのでしょうか…
当面、私の方でも経過を見守ることにいたします
ともあれ
夜渡りの戦士サマの来訪は、喜ばしいことです
立派な大剣の遣い手のご様子
きっと夜との戦いで、お力になってくださるはず
Chapter3
召使人形からの手紙
他愛のない、日々のやり取りの一つ
ご用命いたたいているパンですが
なかなか上手くいかず、申し訳ございません
無頼漢サマにもお味見を手伝っていただいているので
今度作る際には、きっとお味を近づけてみます
ところで、無頼漢サマといえば
何やら巫女サマにお話があるご様子でした
お声がけしてみてはいかがでしょうか
Chapter4
召使人形からの手紙
幾度か書き直したような跡がある
追跡者サマのことですが…
残念ながら、こうしたことは、ままあります
円卓に導かれるより前
外の世界で負われた傷が原因で
生命力が弱られているものと推察されます
夜の王打倒が叶ったとき
あの方は不帰の客となりましょう
それでも、私たちは歩みを止めてはならないのです
Chapter5
召使人形からの手紙
焦っているのか、筆致にやや乱れがある
巫女サマが追跡者サマのことを深く案じ
悲しんでおられること、存じ上げております
私の方でも、あの方のご様子を同っておりましたが
何かの支度をなさっていた跡があります
そして、今日はお姿が見えません
生命力の衰弱を踏まえると、万が一ということもあります
どうか追跡者サマをお探しください
おそらく、円卓のどこかにはいらっしゃるはず…
Chapter6
召使人形からの手紙
いつにもまして丁寧に、書き綴られている
夜を渡るうち、どれほど大切な想いも、零れてゆくもの…
お兄サマの記憶を取り戻されたのは、僥倖と言えましょう
ですから、行く末を案じられるのは分かります
…しかし、これだけはお忘れなきよう
私たちは、夜の王を屠るため円卓に集ったのです
皆サマもまた、巫女サマのことを案じられています
とりわけ無頼漢サマは、気を揉まれておいでです
お声がけしてみては、いかがでしょう
Chapter7
召使人形の書いた手紙
破り捨てられ、結局は差し出されなかったもの
この存じの通り巫女サマは、円卓に縛られておいでです
ですが生きた体ではないのなら
円卓から逃げ出すことが叶うやもしれません
そのためには…
レディは破られた紙片を握りしめていた
手放しかけていた想いを、そうするように
Chapter8
召使人形の書いた手紙
破り捨てられたそれを、繋ぎ合わせたもの
そのためには…
死に瀕した外界の追跡者サマに繋がる
縁となるものが必要です
あの方が身に付けていたものに、祝福を授ければ
それが縁となりましょう
ですが、これは言わば賭けのようなもの
そして何より、巫女サマを独り残してなど…
Chapter9
召使人形に向けた手紙
私を支えてくれた友へ
祝福した縁を辿り、どうか兄を救って欲しい
その為にも、まずは夜の王を片付けるとしよう
私は、どちらかではなく、どちらも為そうと思う
それが叶うと、今ならば信じられる
この髪留めが、私を奮い立たせてくれるから
関連アイテム:古びた懐中時計
精細な意匠が施された古めかしい壊中時計
小綺麗な風合いに、持ち主の愛情を感じさせる
身重の母親は、迫りくる夜の影響を受けていた
それは、子の誕生を妨げる呪いをもたらしたが
母親は命を賭して呪い抗った
遺子と形見の針は、しかし狂ってしまった
歪な時を刻む、夜の呪いを宿していたのだ
これは、彼女が戦場に在るための
暗い力であり、罪の証である
関連アイテム:頭冠のメダル
人形の少女を飾り付けていたメダル
復讐者の衣装の予備品
白銀の輝きは、上品な煌びやかさを備え
儀礼的ながち、凛とした気品を示している
見れば彼女の言葉を思い出す
「強さは、一種の責任でもある」
関連アイテム:祝福された鉄貨
巫女により、小さな祝福が込められた鉄貨
仄かな温かみを宿している
彼女は、木の人形に思いを託す
死にきれぬ死者の、目を覚ます祝福が
どうか彼の手元に届きますように
関連アイテム:くすんだ鉄貨(貴重品)
追跡者から手渡された異郷の鉄貨
遠い地の遊牧民たちが、生活を支えるために
定住する民との交流に用いる通貨である
追跡者の懐から取り出された硬貨は
あまりに冷たかった
関連アイテム:ピタパン(貴重品)
香ばしい匂いのするピタパン
追跡者から譲り分けてもらったもの
遠い地の大草原に住む遊牧民の伝統食
家ごとの味があり、母から子へ受け継がれる
このピタパンはいつも
じんわりと、甘じょっぱい
私は、それを知っている
関連アイテム:風見鶏の言葉(貴重品)
無頼漢の弟分「風見鶏」が遺した言葉
かつての仲間に向けられている
兄貴より高く、疾い風を見つけたよ
興味が次から次へと目移りする性格を嘲るように
呼ばれていた者は、周りを気にせず突き進んだ
偉大な海賊の末裔を自称し
生涯をかけ、後悔のない夢を叶えた
彼女は、風が好きだった
関連アイテム:裏表のない硬貨(貴重品)
大男から手渡された年代物の硬貨
海の男たちが箱から溢れ出すのを夢見たもの
鋳造された時にあった刻印は
尋常でない握力に弄ばれた結果
見事に表裏がなくなってしまった
見れば彼の言葉を思い出す
「選択肢なんて、誰かが勝手に決めたことだ」
無頼漢
狭間の地に乗り込んできた近海の海賊
夜の王の襲来は、強者を追い求める
大男の興味を引き寄せた
Chapter1
近海の海賊は、何より好敵手を求める
ゆえに無頼漢は、自らリムベルドに乗り込んだ
夜の王の襲来が、己の求めるものをもたらす
そう直感したのだ
円卓に足を踏み入れたとき
無頼漢はそれが正しかったと理解した
白角の兜を通して、かすかに、だが確かに…
かつての近海と同じ、波のさざめきを感じる
Chapter2
無頼漢は兜を脱ぎ、ゴトリと床に置いた
夜との戦いに果ては無く、飽く暇もない
…だが、一方でどこか満たされぬものがある
「そうは思わんか、戦友よ」
ぼやきながら無頼漢は、己の愛用の兜
その白角をゴンゴンと小突いた
傷だらけの角が、今までの戦いの歴史を物語っている
魂をぶつけ合うような死闘。 血潮たぎる好敵手
円卓のどこかから、その気配がするのだが…
Chapter3
狭間杯の戦いを終え
いつものように白角の兜と向き含った
悪くない気分だ。だが、まだ足りない
そして、召使人形の言葉を思い起こす
「運命の相手と巡り会える、か」
近海の海賊にとって、それ以上の宝は無い
Chapter4
戦いの予感が、近海での古い記憶を呼び起こす
「あー… 生きてますか、船長?」
航海士の風見鶏が、流打ち際に倒れた無頼漢を呼ぶ
無頼漢は目深にかぶった兜を、乱暴に叩いて答えた
その拍子に血が吐き出したが、構いやしない
「…やあ、ずいぶんお元気そうで」
風見鶏は呆れた風に言いながら、何がを熱心に書いている
そして無頼漢の視線に気づき、不敵に笑った
「せっかく、化け物同士の死闘を間近で見たんだ
書き物で一山あてようかと思いましてね」
Chapter5
狭間杯の戦いを終えた無頼漢に、鉄の目が尋ねる
「白角と黒爪…だったか。 興味をそそられる話だ
近海では決着がつかなかったというが、その訳は?」
この施設の暗殺者は、こと戦いに関してはいつもより触舌だ
「がはは、さてな…
どうあれ、一つ言えることがある」
無頼漢は笑い、それから兜をゴンと叩いた
「近海の男は、戦いの約束を忘れやしない
いついかなる時もな」
Chapter6
無頼漢は待った
狭間杯の最後の戦い。その始まりを
召使人形が、石碑を探りながら告げる
「戦いを告げる合図が見られません
おそらくは、決勝戦のお相手に何かが…」
無頼漢の腹は決まっている
こうした時は待つしかない
決まって奴は遅れて来るのだ
Chapter7
潮の匂いが、近海での古い記憶を呼び起こす
約束の浜辺に座す無頼漢に、風見鶏が告げる
「…諦めな船長、奴は夜に飲まれたんだ」
無頼漢は闇に沈んだ西の海を望みながら、白角の兜を叩いた
「もうしばらく、こいつは預かっておくさ」
古い記憶と向き含ううち、かすかに波のさきざめきが聞こえ
その兆しに、無頼漢は静かに目を開く
俺たちの戦いは、いつだって海に呼ばれているのだ
Chapter8
約束の戦いは果たされ、狭間杯はその幕を閉じた
白角の兜を、その持ち主に返し、無頼漢は黒爪に戻った
心地よい風が頬を撫でる
風見鶏ならば、この戦いを何と締めくくっただろうか…
近海の海賊は、何より好敵手を求める
だが今は、波のさざめきは聞こえない
無頼漢の海は、ただ凪いでいる
関連アイテム:ちぎれた組み紐
切れてしまっている魔除けの組み紐
戦士たちが戦に出る時に、身に付けるまじない
特徴的な石の留め具は、名うての海賊たちの
持ち物であったことを裏付けている
大海を東西に分かつ、海の勢力争いが
記録として各地に伝えられている
関連アイテム:黒爪の首飾り
雄々しく分厚い爪があしらわれた首飾り
黒光りする光沢は、見る者を威圧する
無頼漢は昔、群島の森の主を争った
山のような体つきの獣と取っ組み合い
遂に 投げ飛ばして力を証明してみせた
折れた爪を勲章にし、誇りとした
時は過ぎ、男は海の戦いに身を置いていた
雌雄決さぬ繰り返す衝突に、しびれを切らし
決戦の約束に、宿敵へ贈った
関連アイテム:召使人形の走り書き(貴重品)
「白角」について記された紙片
ある航海士の記した近海の伝承の一部
かつて西の海と東の海は勢力を争っていた
西の海を統べる白角、東の海を駆ける黒爪
約束の浜にて
七夜に渡り決戦が繰り広げられたが
二人の戦いは、ついに決着しなかった
円卓待機時のセリフ
「待つのはいいが、長すぎやしねえか?腕がなまっちまいそうだ」
「一緒に酒でもどうだ?」
「いつでもどうぞ」
「ああ、またな」
「おう」
「夜は単に日が落ちただけだろ?おかしな話だよなあ」
「力任せに振るう武器が一番だな。デカいエモノは任せてくれよ?」
「いいねえ、強者が多いってのは。来て正解だったな。腕が鳴るぜ」
「退屈しのぎには事欠かねえ。だから俺は気に入ってるぜ。この場所をな」
「色々あったが、喉元過ぎれば何とやらだ。最後は一際デカいのをぶちかまさないとな。そうだろう?兄弟」
「いっちょやってやろうじゃねえか」
「大詰めか。こうなると物足りなく感じるもんだ。人間ってのはワガママよなあ」
「化け物が勢揃いでも、怖気づくこたあねえ。殴って倒れねえやつはいねえからよ」
「こいつはまた厄介な相手だな。………だが、物事は要領さ。難しく考えすぎるなよ」
復讐者
没落貴族の令嬢の人形
ある夜を契機に、人形の体に魂が宿る
少女は、滅ぼされた一家の復讐を誓っていた
Chapter1
夜の触みから逃れ、私は目覚めた
関節の具合を確かめながら、霞のかかった記憶を辿る
…だが、ここは何処だ
何ともかび臭い空気ではないか
状況を掴む必要がある
まずはそこから始めるとしよう
Chapter2
円卓の者と共に戦うにつれ、幾らか記億の霞が晴れてきた
鏡を見る
そう、私はダフネ
誉れ高き人形師の一族、ノーザン家の娘だ
だが、あの嵐の日…
夜がお屋敷のすべてを飲み込んでいった
そうして私は、 復讐者となった
この人形の体に身をやつして
Chapter3
人形の体となっても、夢は見る
嵐の夜、お屋敷に動くものは他に無い
慣れぬ人形の体で、私はあてどなく彷徨う
そして、頬を何かが撫でる
決まってそこで、夢は途切れる
起き枚けに、鏡を見る。その感触を確かめるために
「夢の中だけでは、飽き足らぬか」
類に黒い筋のような痕がついている
どうやら私は、随分と夜に気に入られているらしい
よもや人形の体まで、追ってくるとはな
Chapter4
鏡を前に、夜の触みを覆い隠す
そうしながら、化粧道具をくれた召使人形の言葉を思い出す
「あなたサマの記憶には、大きな穴が空いており
そこを足掛かりに、夜が根を張っているご様子だとか」
隠者と言う魔女の見立てらしいが、どこまで信用したものか
それにしても、己で化粧とはどうにも慣れない
お屋敷ならば、人にやらせるものを
どうにか化粧を終え、鏡に映った滑らかな類を撫でる
そう言えば、この人形の名は何だったか…
Chapter5
鏡を見る
夜の蝕みが、よりいっそう進んでいる
「…不憫な」
お爺様が創ってくださった、私のかわいい子
人形の名を呼ぼうとしたが、やはり出てこない
代わりに、その類を撫でる
この身に巣食う夜を断つ、その術を探らなくては
ふむ… 円卓の巫女ならばあるいは
Chapter6
人形もまた夢を見る
私はそれを知っている
お嬢様が、私の頬をそっと撫でる
「お化粧をしましょうね、ダフネ」
そうしてもらうのが、とても好きだった
Chapter7
鏡に映し出された頬を撫でる
期待した柔らかさも、ぬくもりも、この指にはない
どうやら私は、もう一度向き含わねばならない
あの嵐の夜に
Chapter8
ミニアチュールを握り、鏡に向き合う
お嬢様はもういない
この類を撫でてもらうことも、叶わない
私は元より人ではなく
もはや人形とも呼べぬだろう
ただ為すべきことだけがある
そうして私は、 復讐者となった
あの嵐の夜を、終わらせるために
関連アイテム:薄汚れたフレーム
何かが取り付けられていた小さなフレーム
中央が抜け落ちており、酷く汚れている
持ち主の元へ招くように、それは語り掛ける
「思いを纏い、初めて見た夜の記億へ…」
関連アイテム:小さな化粧道具
人や物を美しく飾り立てるための道具
召使人形のお気に入りの一品
質素ながら、確かな作りをしており、
柔らかな肌触りの筆は
白粉を、きめ細やかに塗布して馴染ませる
「せっかくお綺麗なのですから」
関連アイテム:古びたミニアチュール
高潔な少女と晩年の男性が描かれた細密画
仲時まじい二人の信頼関係が読み取れる
人形は理解していた
あの夜、お嬢様は生きたいと願った
だから私は、ここにいるのだ
裏に、滲んだ走り書きがされている
「クロエ、お前は誰よりも幸せになりなさい」
関連アイテム:夜の刃片(貴重品)
夜の力が混ざり込んでいる刃片
破損した断面に結晶がこびりついている
まるで失った部分を補うように
あるいは、本来より鋭利になるように
暗い塊は、ゆっくり広がり続けている
隠者
「深き森の魔女たち」の一人
人里離れた森奥に住まう、古い魔術の使い手
ある考えを確かめるため、狭間の地を訪れる
Chapter1
私は 「深き森の魔女たち」の一人
同志たちは、私を隠者と呼ぶ
森の深奥を離れ
リムベルドまで訪れたのには理由がある
影にまつわる、探しものをするつもり
Chapter2
私は、そう
「大切な幼子」を探してる
手がかりを集めて、見つけ出さなくては
まずはお手伝いさんに、聞いてみようかしら
■手がかり : 大切な幼子
魔女である私が、生み出した子
名前は付けてないけれど、 「かじりやさん」と呼んでいた
古い魔力を辿って、大まかな居場所まではつかんでる
このリムベルドのどこかに、きっといるはず
この子と夜の繋がりを探るため「夜の欠片」を見つけたい
Chapter3
お手伝いさんの調べ物を待つ間、旧い友のことを想う
幼子を見つけるのは
いまは亡き彼女への贖罪でもあるのだから
■手がかり : 輪の魔女
旧い友で、学びの同志
それから、幼子の乳母でもあった
「かじりやさん」は、食いしん坊で見境がない
だから、食事のお世話は彼女にお願いしてた
輪の魔女は、欺瞞の魔女
そうした手管は、お手の物だもの
Chapter4
お手伝いさんからの書置きがあった
どうやら調べ物が進んだみたい
夜の欠片から、あの子の痕跡を辿れるかもしれない
欠片を返してもらって、確かめてみましょう
■手がかり : お手伝いさん
木の人形に見える
最近は調べ物を手伝ってくれてる
そのせいで、忙しいのかしら
他の戦士さんとお話しているのを、近ごろ見かけない
何だか影が薄くなっちゃったみたい
Chapter5
夜の欠片を使って、あの子に繋がる痕跡を見つけた
あらためて、見つけた手がかりを確認してみましょう
■手がかり : 夜の痕跡
夜の欠片の噛み痕と、円卓に紛れ込んでた夜の痕跡…
どちらからも、私が込めた古い魔力を感じる
私の幼子は、あの日、姿を消してしまった
そのあと、きっと… どこかで夜の王にまみえたのね
あの子の食欲は旺盛で、何の影にもかじりつく
きっと夜の王の影も、おいしそうに見えたことでしょう
かじったそのあとは、いったい、どうなったのかしら…
Chapter6
夜の痕跡からは、もう一つ、懐かしい魔力を感じた
幼子へ至る鍵は、彼女にある。 死んだはずの、輸の魔女に
手がかりを元に、円卓に隠れた彼女を見つけてあげましょう
■手がかり : 輸の魔女の最期
ある大きな戦に臨んだ時、幼子は敵軍の影を貪り蹂躙した
そして… 我を失い、私たちに牙をむいた
今なら分かる。あの子はただ、怯えていたのだと
けれど私は、それを抱き止めてあげられなかった
代償として、私は旧い友を喪った
今も鮮明に覚えている。影を失くした、彼女の亡骸を
Chapter7
夜の王と共にいるあの子が、私に託した最後の手がかり
■手がかり:骨のような石
石にそっと触れる
そうすると、かすかがに幼子の声が聴こえる
どうか、侍っていて
必ずあなたの元へ行くわ
Chapter8
「我らが夜を愛してくれて、ありがとう」
旧い友の別れの言葉
その残響を抱えながら、私はただ幼子を抱きしめる
あの日、できなかったことを
今はもう、泣き声は止んだ
胸の内の柔らかな夜は、ただ静かに眠っている
関連アイテム:夜の痕跡
夜の王に繋がる確かな手掛かり
酷く痛み、溶けかけたぼろ布の切れ端
古の封印石から写された刻印は
摩耗して焼き切れ、もはや読み取れず
途方もない時間の経過を物語っている
…人形は、刻まれていると言っていた
見せる前から、何故分かったのだろうか
関連アイテム:骨のような石
生き物の気配がしない不気味な石
外なる神の遺骸であり
神性を消し去る力を持つ
あるいは、神性によって崩壊する
結末は魔女に委ねられた
それを、渡した相手も望んでいる
関連アイテム:夜の欠片(貴重品)
夜の力が結晶化したもの
透き通ってはいるが、影のような文様があり
それは何かの噛み痕のようにも見える
夜とは、無限の広がりと可能性を持つ
万物に平等に訪れる状態であり
恐れるも乗じるも、接し方次第といえる
この欠片の内にも、確かに夜が息づいている
触れても止めれば、応えてくれるだろうか
執行者
鎧と混ざり合った体を持つ罪人
狭間の地で投獄され、長らく行方が知れなかった
戦いを啜り刃を剥く妖刀を帯刀する
Chapter1
鎧と混じり合った 我が身
絵筆を 手に取る
己が存在 向き含うために
描き上げたもの
それこそ 我が記憶の断片
Chapter2
黄金樹
私は 絵描き
遠く葦の地から流れ着き 魅せられた
完成 していない
何かが 欠けている
Chapter3
花
じんわり ぬくもり感じる
あばら屋の画室 咲いていた 同じ花
私は 絵描き 黄金樹を描いていた
私は 客人 剣を携えていた
私は 物言わず それを見ていた
Chapter4
客人
私は 客人
あるいは 私にとって 処刑人
客人の男 告げる
せめて 待ってやろう
「黄金樹」の 完成までは
Chapter5
古い友
「黄金樹」 未だ完成せず
息抜きに 描いた習作
革の地からの 古い馴染み
物言わぬ友
この古い友 客人に託そう
「黄金樹」は どうやら間に合わぬ
じき 来るだろう 代わりの処刑人
Chapter6
坩堝の騎士
私の 客人
あるいは 私にとって 処刑人の肖像
坩堝とは 混じりもの
客人は どちらかに 決められず
黄金樹を望む 画室にて
最後のあの時まで
Chapter7
執行者
二人と一振り それこそが私
いかにも血塗られている
だが 夜を屠るには役立とう
そして
夜を渡った その先で
きっと「黄金樹」を
関連アイテム:金色の露
武器の補修に優れる、植物から採油した液体
狭間の各地で手に入るが、無造作に咲いている
使い方を知る者だけが採取する
黄色い花を種ごと絞り出せば
とろりとした油が抽出できる
その美しい色艶に一部では金色の露と呼ばれる
関連アイテム:祝福された花
十分な栄養と祝福を溜め込んだアルタスの花
当時、アルタス高原でよく見られた
日当たりのよい環境だったのか
通常より豊潤な色合いに咲いている
まるで、輝かしい黄金樹を讃えるかのように
関連アイテム:黄金の萌芽
あたたかな祝福を宿した黄金の種子
険しい雪嶺の中で見つけたもの
厳しい環境にあった種子は芽をつけた
苦しく、追い詰められてこそ
眠れる力が引き出されることがある
人はそれを、奇跡と呼ぶ
学者
狭間の地を求め歩む学び手
ヤロダス研究館の一員で、旅により知見を深める
病により、その身体は急速に老いつつある
Chapter1
記録「遥かなる地リムベルドにて」
荒海を越え辿り着いた地は、祖の住まう世界
資料には、研究館の名を冠する賢者ヤロダスが
教えを説いた学び舎があったと綴られていた
そして、私が何より求めるもの――清浄の雫、その存在である
館の古い伝承本に記されていた一文が今も頭から離れない
「清浄の雫は、我らが渇望する、運命を救う悲願である」
それは、間違いなくこの地にある
霧に隠された門は開かれた。必ずや、真実をつまびらかにしよう
Chapter2
記録「過去を見透かす片眼鏡」
魔力の片眼鏡――旅を始める私は、師より硝子を賜った
かけがえのない探究手段の一部だ
輝石を通じて、覗き込んだ対象の様々が浮き彫りになる
一端として、物体に記されている、言わば記憶を取り出せば
過去の出来事を垣間見ることができる
しかし、それ故に慎重に取り扱う必要がある
事実は私自身が検証し、他者との関係性に傷をつけぬよう振る舞う
この記録は、上記に留意して推し進められていると記しておく
Chapter3
記録「清浄の雫を巡る痕跡について」
伝令役が持っていたと思われる、ある紙片を見つけた
土汚れや劣化は激しいが、確かに「雫」という文字が記されていた
読み解けば、浮かび上がる幻影から興味深い言葉が聞き取れた
「救える――あの雫――」
これは更なる探究の価値があるに違いない
私は確信して、今日もまた幻影を調査するだろう
Chapter4
記録「しろがね人の秘薬」
湖沼に埋もれた書斎にて、ある貴族の日誌を入手した
読み解けば、しろがね人と清浄の雫の関連性を裏付けるものだった
また幻影は研究棟、そう呼ばれる場所に在処を示した
そこに、我々――しろがね人の運命を切り開く悲願があるのだろうか
注:
円卓で戦いを共にする者の一人に、異常行動が見られた
どうやら周囲に悟られるのを厭っている様子だったので
彼女に証となるものを添えて、取引を持ち掛けた
円卓から長く離れる理由を思案していたが、その憂いも晴れた
後の始末は彼女に託すとしよう
Chapter5
記録「円卓に座する運び手」
研究棟、リムベルドの地下にあるとされる貴族の別邸は
巫女の導きもなく、所在も明らかにされておらず
道筋を辿るのに困難を極めた
しかし、円卓を自由に出入りする不思議な存在を思い出した私は
事情を打ち明けて交渉を続け、遂に手を組むことに成功した
小壺の商人、ただその人である
蝋板を持ち出して絵を描いてみせれば、商人は喜んだ反応を示した
重ねて絵の見せ合いを続け、双方向の意思疎通を確立した
やがて綿密な打ち合わせを行い、その時を待った
そして連絡を受け、手筈は整った。真実がもう少しで明らかになる
胸の高鳴りを抑えつつ、最小限となるように荷造りを終えた私は
あの商人の元へ足を運ぶのだった
Chapter6
記録「清浄の雫の正体について」
この記録は、乱暴に何度も引かれた線により読めなくなっている
また、大半が破り取られており、破損している
Chapter7
記録「微睡の中で見た夢について」
真っ暗な闇の中、私は一人横になれる程度の小舟に寝ていた
仰ぐ天もまた、黒く塗り潰されて見える景色もなかったが
ゆっくりと流れる川に従って運ばれている、揺れを実感していた
すると、ぎしりと音を立てて舟を止める者があった
顔を見ようと身体を起こそうとするも、全身が動かない
舟にかけた手だけが見えており、そっと押し出された
「怨嗟に囚われるな。流され、瓦礫に埋もれてはならぬ」
川岸には白い花が咲いており、甘い蜜のような香りが漂っていた
…そういえば、取引を行った彼女はどうなったのだろうか
地下で見つけたあの結晶を渡せたら、感謝もできただろうに
Chapter8
記録「郷愁すら覚える円卓での目覚め」
私が鮮明な記憶を取り戻したのは、円卓で目覚めてからだった
身体の違和感に、覚えがある。私は身体を失っていたのだろう
四肢を動かせるようになった頃には、立ち上がれるようになった
助けてくれたのは誰なのか、私は召使人形に問いただした
すると彼は寝台の脇に添えられた生け花を示した
上品な甘い香りを微かに匂わせる、白い花が揺れていた
彼女と話す必要があるだろう
もう、取引を守る必要はないのだから…
Chapter9
記録「我が目的」
リムベルドは、未知と秘事に満ちた聖域であった
その中で出会い、明らかになった事実は
我々が書物越しにしか見られずにいた景色を
大きく変えてくれるだろう
私は覚悟している、詭弁者、狂人と罵られることを
それでも、真実を追い求める礎となるよう願うばかりである
最後に、この旅で得た当初の目的の結論を記す
清浄の雫は、我々の運命を変える代物ではなかった
だがそれは、歴史に名を刻むべき代物であろう
関連アイテム:清浄の雫
しろがね人を襲った流行り病の特効薬
混じり込んだ不純物を取り除く作用を持つ
研究は、家士自身を通して行われた
やがて薬は完成し、治療に使われたが
末期症状の家士を救うことはなかった
それは誰の思惑なのか
病も薬も、歴史から姿を消していた
関連アイテム:記録「後継者へ」
学者が記した、真実を求める者へ伝える記録
リムベルドの出来事がまとめられている
探究は、時に残酷だが
それ故に追い求める価値がある
意思を継ぐ者よ
果てなき歩みに、悟りがあらんことを
関連アイテム:家士の日誌(貴重品)
ある王家に仕えた男が記した日記
その男は、戦場の実態を探るべく軍へと志願した
駐屯地における隊の状況を丁寧に記録している
作戦報告には、粗雑な殴り書きが紛れている
薬、しろがね人
関連アイテム:返却された革袋(貴重品)
学者の片眼鏡を収納する小さな革袋
葬儀屋に渡されていたものが返された
手渡されるとき、ふと学者は思い出した
片眼鏡を旅の伴侶にと、師から手渡された
あの日の言葉を
「この硝子は、真実を見渡すためにある」
関連アイテム:黄金の民の頭冠(貴重品)
黄金の地の住人が身に着けていた冠
狭間の地に広がっている服飾のひとつで
黄金の祝福に対する感謝と信奉の証でもある
過去を紡ぐ、それが今すべき使命なのだと
学者は確信していた
葬儀屋
夜の王を殺す主命に従い現れた修道女
体躯に見合わぬ異様な力は、他者から蔑まれ
死者を葬る役回りにされている
Chapter1
曇り空の日。遠くに日が差して、すぐに消える
「行きなさい、貴方を待つ者たちが居る場所へ
それは、貴方の救いでもあるのです」
司祭様は、神の御言葉だと仰っていた
でも、厄介払いができて喜んでいたと思う
不吉な私を、遠くへ追いやることができたのだから
Chapter2
曇り空の日。いつもより雲の流れが早い気がする
私の生涯は不吉に覆われている
親もなく、身寄りもない
修道院では、年の近い子だけでなく大人からも避けられた
森で獣を狩り、血肉を食べては、怖がられていた
大人になって、私は力を摂らずにいられない体質だと知った
我慢して耐えようにも、震えと痛みが止まらなかった
恐ろしくなって、気が付けば自分の腕を噛んでいた
生きるのは辛いけれど、死ぬのはもっと怖い
あれから、幾人もの人生が終える程の長い時間が過ぎた
誰にも理解されない
孤独だ
Chapter3
曇り空の日。泡立つ波が暗いように見える
夜の力。呪いにも祝福にも似た力が、この地に広がっている
口にすると苦く、気分は悪いけれど、不安な気持ちが安らぐ
もし、この夜を乗り越えたなら…私も変われる?
変われなかったら?
夜の力は手放すに惜しい…
そういえば、今日は折り入った頼みがあると
召使の人形が言っていたような気がする
Chapter4
曇り空の日。じめじめしてて、気が重い
見られた…
学者様だったのが救いだった
彼は卑怯な人じゃない…言うことを聞いておけば大丈夫…
幻覚も見るし、皆が本当は私を恐れてるんじゃないかと
まざまざと見せつけられたようで、気分が悪い。憂鬱だ
でも、渡された革袋を握っていると、少し気が紛れる
Chapter5
曇り空の日。海鳥が遠くで鳴いている
学者様が失踪した
円卓で姿を見せなくなって、数日経ったらしい
本気だったんだ…
巫女様が情報を集めて回っている
夜渡りたちの失踪は、そう多くないけれど過去にも事例がある
彼は積極的だったから、納得がいかない様子
私は、取り決めを、言う通りにするだけ…
Chapter6
曇り空の日。風が強い
学者様が戻った
あんな状態から姿を取り戻せるのは驚き…
夜で汚した口を拭いながら考える
私は、罪滅ぼしをしたかったのだろうか?よくわからない
彼は私のことを見抜いていたから、怖かったのかもしれない
取り決めを守れなかったのに、再び私を選んだのは
まだ利用できると踏んだ、…のだと思う
渡されたガラスは、握ると落ち着く気がする
これがあれば、乗り越えていけるのだろうか
夜の力を啜らずとも
Chapter7
曇り空の日。雲間から少しだけ日が差している
私の生涯は不吉に塗れていた
周囲の人は遠ざかり、住処を転々として
時に戦場へ駆り出され、躊躇なく屍を積み上げる
私にとって、平穏を得る道だったから
付き纏う犠牲は厭わなかった
それしかできない、不器用な私にでも
できることがあるのかもしれない
今は、そう思う
関連アイテム:片眼鏡の革袋
片眼鏡を収納する使い込まれた革袋
皺や擦れ跡の傷みが、愛用された裏付けである
学者は、自身の死の証明に葬儀屋へ託した
真摯な彼にとっての、別れの言葉として
私は…私はどうすべきなのだろうか
関連アイテム:ガラスの首飾り
夜が滲む結晶に紐を通した首飾り
夜の模様が揺れるように浮かんでいる
溢れ出る力は弱々しくも安定しており
握りしめれば気持ちの鎮まりが感じられる
約束は理由を与えてくれた
だからきっと、待ち続けられる
関連アイテム:学者の原核(貴重品)
学者の身体から抜き出された原核
脈を張った銀色の臓器
繋ぎ止める先を失ってなお脈打ち
新たな体を育もうと蠢いている
それは、学者が他者と異なる存在であることを
確かに証明していた
関連アイテム:夜色のガラス(貴重品)
学者から渡された透き通った結晶
夜の模様が揺れるように浮かんでいる
滲み、広がりはぴたりと止まっている
まるで、安らぎを得たかのように
…もう怯えなくて済むのかもしれない
彼の言葉を信じるならば
関連アイテム:綴じられた紙束(貴重品)
学者が記した、誰かへ伝えるための記録
リムベルドの出来事がまとめられている
本来ならば、自らの手で持ち帰るはずだった
しかし彼は、皺深い顔で小さく笑みを浮かべた
それは叶わぬことだと言わんばかりに
関連アイテム:千切られた指(貴重品)
原初の夜の王から千切り取られた指
血の気はなく、濃密な夜に満ちている
葬儀屋は、僅かな希望を抱いていた
自分を覆う、忌まわしき力を
ついに手放すことができるのだと
しかし、夢想は幻想でしかなかった
ならばせめて、慰めにしなくては
夜は終われど、不吉に終わりはない
夜の王
グラディウス
影より現れる複足の獣
獲物を狩るための鎖剣を背中に携え
多頭の牙の間からあふれる炎が揺らぐ
複数の影に襲われるなら
聖なる光が「狩り」を阻むだろう
関連アイテム:獣の夜
戦いの後に遺された、グラディウスの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
生まれながらにして三つ首だった狼は
異形にして群れから迫害され
しかし生き延びる熱を帯びていた
ある雨の夜、その牙で剣を奪い取ると
男は怯えず、狼を抱き寄せた
以米、狼は剣を離さず、男のそばにあつた
エデレ
肥大した顎を持つ黒い巨体
雷を宿す捩じれた体と、すり潰す異様な歯が
余すことなく平らげていく
その歩みを止めたくば
毒を食らわせるべきである
関連アイテム:爵の夜
戦いの後に遣された、エデレの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
古い島の捕食者の頂点にあった竜は
雄大で、生命の神秘と呼ぶに相応しかった
だが空が青く泣いてからは、すべてを失った
食らうものはなく、飢えは狂いをもたらす
やがて、 終わりのない食欲に塗りつぶされた
グノスター
空を飛ぶ翅と地を這う鋏
降り注ぐ魔光は逃げ場を奪い
立ち竦む者は鋏の餌食とされる
吸い込んだ蛾毒は、やがて宿主を食らうだろう
自らで振り払えぬ寄生虫として
関連アイテム:識の夜
戦いの後に遺された、グノスターの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
秘境の森は、砂漠に触まれつつあった
通り過ぎた恵みが潤いをもたらすと
森を離れるものたちの姿があった
滅びを避けるには、進化こそが求められる
蟲たちの、長い旅の始まりであった
マリス
空を漂う得体の知れぬ存在
周囲を海と為し、あまねく命と溶け合う
それはまるで夢路のようである
戦士たちよ、用心するといい
敵はいつも目の前にあるとは限らない
関連アイテム:深海の夜
戦いの後に遺された、マリスの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
揺蕩う古生物は、初めて興味を自覚した
ただ周囲と交じり合い、 漂流するだけだった
自身に、目を覚まさせる刺激に
交わった夜の味は、あまりにも孤独で
とてつもなく広大であった
リブラ
人の真似事をする奇妙な山羊頭
怪しげな錬金術を操るとされ
紛い物の黄金は正気を失わせ、狂気へと誘う
だが狂気をもたらす者は
同じく狂気に飲み込まれるものである
関連アイテム:魔の夜
戦いの後に遺された、リブラの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
悪魔は公平さに執着していた
あらゆるものを高次元へ押し上げるには
高め合い、向上が必要だった
夜は、すべてを飲み込む
ならば、それこそが公平ではないか
山羊の目は、暗がりを見つめていた
フルゴール
戦いに明け暮れた古き人馬
仕えた神々への信仰を今なお絶やさず
夜にありながら神聖な力を振るう
ある伝承では、威光を放つ神々は
雷鳴が轟くとその姿を隠したという
関連アイテム:狩人の夜
戦いの後に遺された、フルゴールの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
神々の僕であった勇敢な戦士は
背後から左腕を切り落とされる
振り向いたフルゴールは絶望した
同じ死地を歩んだ仲間たちが
神々を信じられなくっていたことに
カリゴ
霧の中に潜む先史時代の竜
冷たい霞が覆う巨影の双眸が
歴史の潮目に現れたとされる
その冷たさは、生命にある熱を
いともたやすく奪い去るだろう
関連アイテム:霞の夜
戦いの後に遺された、カリゴの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
幻峰に身を潜めていた彼女は
変わりめく世界をその眼で記憶していた
そして、異彩を放つ天変地異のひとつに
目を向けると、翼を広び飛び立った
それがもたらす功罪を
世界に与える影響を知るために
ナメレス
果てなき夜の先、おぼろに見えた人影
それは夜の始まりであり、世界の敵である
導きは指し示す
原初の夜の王、その足跡が続く場所へ
関連アイテム:王の夜
戦いの後に遺された、ナメレスの夜
遺物儀式により、王の力を得ることができる
その国は滅びた
英雄を相手取り、誰一人敵わなかった
騎士だった男もまた、屍の山に埋もれる
やがて目覚め、這いずり出ると
何一つ守れぬまま、男はただ生き残った
そして、世界を呪った
大雨の降りしきる、真夜中だった
ハルモニア
白き鎧をまとう七人の戦乙女たち
英雄の武器を握り、混沌を浄化する
さながら世界を調停する天の使いである
だが英雄でさえ、いつか眠りにつく
ならば、歴史に埋もれさせればよい
関連アイテム:安寧者の遺志
作物の実る片田舎に現れた賊たちは
畑を踏み荒らし、次々と民たちを手にかけた
一人の娘が救いを求めて村はずれの林に入り
武器を掲げる守り神、その彫像に祈った
やがて村中は赤く染まり、静寂が訪れた
血に塗れ立ち尽くす娘の手には
英雄の武器が握られていた
ストラゲス
幾多の死骸と残骸を繋いだ屍鬼
蔓延る怨嗟は、分かたれ、潰されようと
執念で蠢き、破壊の限りを尽くす
およそ生命ならざる妄執の塊に
まともな弱点などない
関連アイテム:瓦礫の夜
幾千もの戦いから染み出した残滓は
雨に洗い流され、濁流となり、淀みに流れ着く
悔恨、絶望、無念、幾多の感情は交じり
寄せ集めの残滓は足となり、死骸を背負い立つ
そして、繰り返し呪詛を唱える
夜を、壊す、壊す、壊す……
その他
- マーク
- 円卓内で取引に使用できる祝福の痕
- 王の証
報酬画面でのテキスト
図録での説明文
王の証とは
常夜の王が持っていた王の資質である
その光に吸い寄せられるようにして
取引を持ち掛ける者が円卓内に現れた
希少なものを提供する代わりに
それらを欲しているようだが…
- 夜の気配
- 夜の王が持っていた資質
可能性を色濃く宿し
運命を変える力を持っているという
そして、灯は薄らと指し示す
王の先に待つ、大いなる存在を
- 原初の夜の王のルーン
- 原初の夜の王が宿していた
大ルーンと同じ性質を持つもの
挿し木の一族は、長い歳月をかけて備えた
来る夜を食い止めるには
尋常ならざる策で神を騙すしかない
それが、黄金樹の罪を覗き見た
一族に課せられた罰である
- 召使人形
- 円卓に仕える人形兵。
非実体であろう円卓の中で唯一実体として現実世界の円卓にも存在しているようで、レディの追憶では追跡者の救助を頼まれる。
- 輪の魔女(欺瞞の魔女)
- 隠者の友人であり、同じく森の魔女たちのメンバーの一員。"かじりやさん"の乳母。
夜の王(ナメレス?)との協力関係を築いていて、夜の王による支配に希望を持ち、円卓に侵入、隠者を監視していた。
輪はエルデンリング(ELDEN “RING”)においてタイトルにも冠される重要なモチーフだが、英語版では彼女の"輪"はRingやCircleではなく”Wheel”の語が充てられており、律の輪などとは無関係の概念なのかもしれない。
ちなみに”Wheel”は特に輪の中でも回転するものを示すニュアンスがあり、特に車輪などを指す言葉でもある。
車輪と女性というモチーフからは、ケルト神話の運命を司る女神「アリアンロッド」が思い起こされる。
- 霊体の商人
- 守護者の追憶にて現れる、狭間の地から来た霊体の商人。
何とか雨から逃れ消滅を免れたようで(死んではいるが)、割高な遺物を売って来る。
本人は善意から厄除けのお守りを作り夜渡りたちに渡すが、拙い製法のお守りは逆に厄呼びの呪物になってしまい、群れの安全を乱したとして守護者に処刑されてしまう。
彼の遺した帳簿にはリブラと取引をし、彼(?)に呪いの武器についての本を譲渡していた事が記されていた。あくまで売買ではなく“譲渡”であるあたり、友人関係など特別な関係があったのかもしれない。
彼がいきなり現れる事に始まり、本作の円卓では召使人形が本棚の増設を考えたり、各人の追憶で砥石や黄金の種子を持ち込むなど、外部と関わる形での変化が顕著である。
本編の指巫女に導かれないと行けない円卓とは違い、この円卓は意外と行き来がしやすいのかもしれない。
- "怪物"
- 鉄の目の所属する"施設"の裏切り者。自分が死に生きる者であることを知り、養育施設の一つを皆殺しにして崩壊させ、逃亡して狭間の地に渡った。
円卓に潜入した鉄の目の秘された使命は、彼の殺害でもあった。
円卓に現れた彼にレディは夜渡りとして夜の王と戦うことを期待したが、彼は使命を放棄し、夜に飲まれた者として侵入してくる。同郷の鉄の目に会ったことで彼に自分たちの正体を伝え、聖律の刃による介錯を頼んだ。
物語
【OP】
遠い昔
狭間の地に破砕戦争が起きた
世界は、どうしようもなく壊れてしまった
やがて大いなる脅威が呼び寄せられる
夜、来たれり
大雨は地を抉り、あまねく歴史を擦り減らす
夜の王が歩みを止めることはなく
黄金の地は、かつての姿を失っていた
だが、それに抗う者たちがいた
夜渡りの戦士だ
寄せ集めに過ぎず、全てが異なる
生まれも、時代も、戦う意味も
ただ一つ、等しいことは
果てなき夜を渡り、戦い続けるのだ
己の存在が擦り切れる、その時まで
…世界に帳が下りようとしている
本作は、エルデンリング本編とは「破砕戦争」が起きるまでの時代は同じ世界観として共有しているが、それ以降は全く別な世界線を辿ったパラレルワールドであるとプロデューサーが発言している。
個人考察
夜の王星座モチーフ説
各夜の王は基本的には主要なマイナーなものも含む星座複数をモチーフにしていると考えられる。
- グラディウス
- 現在知られる星座に当てはめるならば「おおいぬ座」「こいぬ座」だろうか。外見のモチーフはギリシャ神話にある冥界の番犬「ケルベロス」だろうが、星座にケルベロスを模ったものはない。
名前は古代ローマ帝国で一般的だった小型の剣「gladius」に由来すると思われる。前作DLCで「約束の王、ラダーン」が腰に下げていた小剣を思い浮かべてもらえれば大体間違いない。
グラディウスも鎖に繋いだ大剣を得物とするが、これは現実のグラディウス(剣)よりも遥かに大きく、刃渡りも長い。この剣の持ち主だったという男も、相当に大柄だったのだろうか。
→常夜の王として、ナメレスの必殺技に酷似した攻撃を行う。
でかい犬と正気を失った騎士の組み合わせはシフ&アルトリウスのセルフオマージュだろうか。
現在ではローマ正規軍が使っていたショートソードをグラディウスと呼んでいるが、古代ローマでは"Gladius"は"剣"という幅広い意味で使われ、大剣もダガーも一緒くたに「グラディウス」として扱われる。
元の所有者が巨人であったというわけではないかもしれない……どちらにしろ、この剣を振れるサイズの生物は大きいだろうが。
- エデレ
- とある島の頂点捕食者だった竜が夜の雨に打たれ、非常に捻れ歪んだ身体へ変貌した姿とされている。ゲーム内でも実際に竜として扱われる模様(弱点の毒以外に、竜特効の攻撃でも咀嚼を中断させられる)。
大顎が縦に裂けたように見えるが、よく観察すると右側に90度ほど頭部が捻れているせいで、このような外見になっている様子。向かって左側に回り込むと、頭部に白濁した目が確認できるだろう。
モチーフの星座は「りゅう座」だろうか。しかし後述のカリゴと被るので、他にもモチーフがあるのかもしれない。
”Adel"、"Edele”はドイツ語で"貴族"を表す。
気品も何もあったものではない外見とは一見ミスマッチではあるが、中世の貴族は一説には肉食を非常に好み、また戦闘訓練を兼ねた獣狩りを嗜みとしていたという。
そうした部分を、「頂点捕食者」という出自に重ねたのかもしれない。
- グノスター
- 名はギリシャ語で知識を指す「グノーシス(Γνῶσις)」、あるいはその名を冠した地中海発祥の宗教運動「グノーシス主義」から取られたものか。
"グノーシス・スター"で"知識の星"?
通常版では白い翅の大蛾と黒い殻の地蟲、どちらが「グノスター」なのかは不明となっていたが、
「常夜の王」実装により、「グノスター」は大蛾の名であることが判明。地蟲の方は「堅盾のフォルティス(Faurtis Stoneshield)」という名であることも明らかになった。
ちなみに「フォルティス」はラテン語で「力強い、勇敢な」などの意味がある形容詞。日本語で言うなら「勇くん」みたいな名前だろうか。
テキストでは二匹の虫ではなく「虫たち」と形容されており、毒攻撃の寄生虫など、さらに他の複数の虫も関わっているものと思われていたが……「常夜の王」版で両者を蘇生・憑依して強化する朱色の霊蛾「超越の光、アニムス(Animus, Ascendant Light)」が追加され、実態は3個体からなるボスであることが判明した。
「アニムス」はラテン語で「精神」「心」「魂」を指し、特にユング心理学においては、「女性の無意識下にある男性的な側面」を指す用語である。
星座モチーフについては、地蟲の方はさそり座であろうか。もっとも、体の構造は現実のサソリとは大きく異なっているが(頭部と胸部が完全に体節で分かれており、尻尾も針ではなく3本爪のハサミ型である)。
では、大蛾、霊蛾の方はどうかというと……こちらも元ネタはさそり座かもしれない。
さそり座にはNGC 6302(Caldwell 69)という星雲が存在するのだが、これはその特徴的な形状から「バタフライ星雲」と呼ばれているのである。
特にアニムスの特徴的な朱色は、この星雲の色にとてもよく似ている。
またあくまで小噺として、かつては一つの大きな星座として見なされていたものが、現在では幾つかの星座の集合として分割されている事例がある(旧「アルゴ船座」や、旧「へびつかい座」など)。
二体のボスが合体するというギミックは、ひょっとするとここから着想を得たのかもしれない。
- マリス
- ラテン語で"Maris"は海を意味する。
召喚する触手は「ヒドロ虫類」という刺胞動物(クラゲやイソギンチャクの仲間)に酷似している。
転じて、星座のモチーフはその命名の元となった「みずへび座(ヒュドラ座)」であろうか。
ヒュドラはギリシャ神話に登場する不死身の多頭蛇で、猛毒の牙を持つ無数の頭は幾度切り落としても、たちまちに再生したという。
「ヒドロ虫」は体の一部を切り離しても強い生命力で再生し、そのまま二個体になって成長する性質があり、その様子を伝説の怪物になぞらえて命名された。
- リブラ
- リブラ(Libra)は天秤座のこと。実に直球で分かりやすいネーミングと言えるだろう。
取引の際に頭に浮かぶ紋章や、各種魔法の発動時に浮かび上がる魔法陣には名前通り天秤の図柄が確認できる。
天秤は品同士の重量から価格の適正を測る、商取引の道具であった。そこから「公正な取引」「平等」などのイメージが付随し、リブラが「取引」と称したやり取りを行うのもここから着想を得たものであろう。
外見などの重要なモチーフとして山羊頭の姿で知られる悪魔「バフォメット」がある。特にエリファス・レヴィの描いた絵がモチーフとなっているようだ。
この絵のバフォメットには、溶解と凝固というラテン語が書き込まれている。これに影響されてか、リブラは戦闘中に、結晶の雨を降らせる前に液体を凝固されたり、発狂中に液体をぶちまけたりする。
また、バフォメットは元々羊であったものが、誤ってヤギであると記録されて定着した説が有力。
リブラも出撃時の説明文で「ヤギ」と呼ばれている一方で、角は羊に近い。「やぎ座」と「ひつじ座」もモチーフにあると思しい。
*2
ちなみに尻尾はヤギとも羊とも似ておらず、あえて言うなら牛が近いか。なぜ尻尾がこのようになっているかは全く見当がつかない。
持っている杖は「正義の手」の王笏がモチーフになっているとみられる。これはマイナーな星座であるおうしゃく座の元ネタ。
先端は片手をかたどっており、二本指と三本指を組み合わせ、調律した状態を表している可能性がある。
また、扱うスペル(錬金術)も二本指と三本指を思わせる要素からできている。黄金のエフェクトは二本指のいる黄金樹勢力を想起させ、狂気蓄積は三本指を思い起こさせる。
スペルの紋章や、結晶を降らす攻撃ではエルデンリングのような意匠が現れる。
逆さ十字のような、ある種の瀆神的な意味合いがあるのかもしれない。
- フルゴール
- ”Fulgor”はラテン語で輝き、まばゆい強い輝きを指す。
「ケンタウロス座」か「いて座」がモチーフにあると思しい。
このうち槍を持つ姿で描かれるのは「ケンタウルス座」(隣の「おおかみ座」を槍で突いている)なのでこちらが直接のモチーフ……と思われていたが、
「常夜の王」版では光弓を放つようになった事から、弓に矢をつがえた姿で描かれる「いて座」の要素も強く意識されているようだ。
なお、ケンタウルス伝承の由来は、異邦の騎馬民族を人馬一体の怪物として伝えたという説がある。
ギリシャ神話では酒とケンカを好む粗暴な亜人とされるが、いて座のモチーフとされる「ケイローン」は例外的に極めて知的かつ、温厚なケンタウロスだったと言われる。
彼はヘラクレスを始め、多くの英雄たちを育て上げたという。
- カリゴ
- "Caligo"はラテン語で霧や靄による視界不良、さらには精神的混乱などによる比喩的な視界不良の双方を指す言葉である。
言うまでもなく、大技の演出はこの語義を強く意識したものであろう。
星座モチーフは「りゅう座」であろうか。
神秘の果実である「黄金の林檎」の樹を守る存在として、ギリシャの大英雄ヘラクレスの伝承に登場した龍「ラドン」を模ったものとされる。
しかし伝承のラドンは百の頭を持つ姿とされるため、カリゴの外見と直接的な繋がりは薄いかもしれない。
また雌龍とされ、人々の趨勢を見守っていたという出自からは「おとめ座」のモチーフである女神アストライアの伝承が思い起こされる。
外見はエルデンリング本編の古竜たちと同様の特徴「四肢と二対四枚の翼」を備えるものの、体の各部のディテールはどちらかと言えば飛竜に近い。
また、古竜らが6本指なのに対してカリゴは5本指であり、これはエルデンリングの隠しボス「竜王プラキドサクス」と同じである。
- ナメレス
- 名は「Nameless (名無し)」のカタカナ読みか。ゲストボスの「無名の王」との名前被りを避けたネーミングだろうか?
英語版では”Heolstor”という名前で実装されており、これは古英語で"帳"、"暗闇"、"覆い"などを意味する。
拳銃などの「ホルスター(holster)」の元となった言葉である。
まや、英語版では夜の輪郭を”Night Aspect”という名前で実装されている。直訳の意味合いは同じだが、アスペクトは占星術における2つ以上の天体間の角度で座相を判断し吉兆を占うことも意味する。アスペクトは多数あるが4つの星が十字架状になったグランドクロスが特に有名。ちなみにグランドクロスは困難を現す。
ナメレスは星座というより惑星がモチーフなのかもしれない。
"夜の輪郭"の形態時、左腕は形態変化後に持つ短剣で縫い留められ、全身は聖句が書かれた包帯のようなもので巻かれている。
短剣を持つ者に殺され、丁寧に葬儀をされた遺体が起き上がっているという描写なのだろうか。
「英雄にすべてを滅ぼされ、復讐を誓った男」となると、本編ではゴッドフレイに一族を殺され、その剣を束ねて戦った剣継ぎの大剣の持ち主であるモーン城の英雄が思い起こさせられる。
束ねた剣はエルデンリングの背景神話を書いたJRRマーティンの作品「ゲームオブスローンズ」の鉄の玉座のモチーフでもあり、メタ的な意味では重要なファンサービスでもあった。
コメント
DLCで追加されたキャラクターに関する2行の文章は、DLC発売後に追加
扱う魔法が黄金の光を放ち、強化状態では体毛が一部金に染まることを考えると、どちらかと言えば「おひつじ座」かもしれない。この星座のモチーフは、勇者イアソンが大航海の果てに手に入れたという「黄金の毛皮を持つヒツジ」とされている。
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