竜血シリーズ

　竜血騎士団は＂竜の血を信奉し、その血を浴びることで人を超越する＂という理念の元、結成された騎士団である。もともと古竜は希少な存在であり、ドラングレイグに生息する竜の大半は賢者アンディールによって作られた模造竜であり、彼らの望む血を持つ竜は見つからなかった。そこへ飛び込んできたのが＂聖壁の都サルヴァ＂で信奉されているという竜の噂である。これを耳にするや否や、彼らはサルヴァを侵攻し、そこに眠っていた竜に危害を加えた。すると竜から突然毒が噴出し始めて、竜血騎士団はおろかサルヴァも壊滅したというのがダークソウル2の装備から伺い知れるストーリーである。竜血騎士団によって攻撃された竜、名前をシンというが、実は人間と共存関係？を結んでいる珍しい竜であった。サルヴァに蔓延する毒をその身に引き受けて、ずっと眠っていたのである。その竜をサルヴァの民は祀り上げていたところに、竜血騎士団が乗り込んできたのである。
　つまるところ竜血騎士団は根も葉もない理論で暴走し、一国を壊滅させた大戦犯である。その後、一部生き残った彼らがどうしたかと言うと、なんとどさくさに紛れてサルヴァの叡智を盗み出し、その叡智を使って＂奇跡と戒律の国リンデルト＂を建国したのだ。どこぞの医療機関にも並ぶほどのゲス集団である。
　奇跡と戒律の国リンデルトには古竜院と呼ばれる者たちがいる。彼らは聖職者であるはずなのだが、実はダークソウル2の中でも屈指の強モブであり、聖職者であるはずなのに持っている長柄のメイスでぶん殴ってくる。その装備も頭は鉄製の兜、鎧と同じくらい重いローブ、さらには鉄製のブーツと聖職者らしからぬ武闘派な装備をしており、さらにはその盾は＂眠り竜＂を象ったものである。古竜院はリンデルトの秘儀を伝えるものと言われているが、何を隠そうこいつらは竜血騎士団の意思を連綿と引き継ぐ者たちである。秘儀とはつまりサルヴァから盗み出した叡智や建国の歴史であり、その歴史に近づいたものは容赦なく消される。どこぞの処刑隊も真っ青なヤバい集団である。
　竜血騎士団を率いたヨアは＂英雄＂と称されているが、それもそのはず、サルヴァに起こった本当の悲劇を知る者は古竜院以外にはいないのだから、彼らはそれをいいことに自分達を美化したのである。色々やらかし過ぎている彼らだが、純粋に装備がカッコ良かったり、ソウルシリーズでも屈指のヤバい集団として一部に根強い人気がある。以下豆知識。

①今作屈指の有能奇跡「惜別の涙」は元々はサルヴァが初出である。サルヴァから竜血騎士団が持ち出し、さらにリンデルトからカラムに渡ったと考察できるが、ダークソウル2の時点ではサルヴァに取り残されている。カリムとの関連性が気になるところ。
②ヨアは毒の中に消えたとあるが、眠り竜シンと戦うステージにて＂ヨアの指輪＂を持つ遺体が転がっている。さしずめこれが英雄ヨアなのだろう。
③ヨアの指輪は実はダークソウル3の没データに存在している。今作での効果は不明だが、ダークソウル2での効果は＂一定確率で魔法を弾き返す＂というものであった。
④英雄ヨアが使っていた槍は＂ヨアの槍＂としてダークソウル2で装備することができ、突撃槍(今作での長槍)、両刃剣、斧槍、大槌のモーションがごったになったとんでもない武器だった。ちなみに槍としてのモーションは盾チクのみである。
⑤古竜院が装備している盾は＂眠り竜の盾＂と呼ばれるものであり、スタミナ回復効果がつく珍しい盾だった。なおこれで盾受けすると客観的に見れば眠り竜を攻撃させている構図になる。さすが古竜院、やることなすこと全てゲスい。
⑥眠り竜シン戦では公式で用意された白霊を呼ぶことができ、その中に＂超越者エディラ＂というNPCがいる。黒竜一式に身を包んだなんとも厨二臭い白霊ではあるが、その実高周回の、プレイヤーであれば即死するレベルのシンの攻撃を何ともないかのように受けあるほどの体力を誇り、さらには的確なタイミングでエストまで使用するなど、ダクソ2の中でも屈指の強NPCであった。肩書きが超越者、実際にめちゃくちゃ強い、呼べる場所が竜の血で人を超越しようとした竜血騎士団が壊滅した場所など、何とも無視できない設定が散りばめられている。一部では本当に竜の血を浴びて人を超越した人物という考察もなされている。